クローン病と潰瘍性大腸炎のためのカロリー管理
クローン病や潰瘍性大腸炎では、下痢、腹痛、食欲不振、体重減少、低栄養や吸収不良が課題になることがあります。このガイドでは、カロリー管理や食事記録を、体重や症状の変化を振り返るための実践的な方法として整理します。
GAYA Editorial Team出典
⚡ よくある悩み
IBD管理においてカロリー管理が重要な理由
クローン病や潰瘍性大腸炎では、慢性の下痢、腹痛、食欲不振、体重減少がみられ、長く続く下痢では低栄養が問題になることがあります。クローン病では栄養素の吸収不足(吸収不良)も起こりえます。1,2 そのため、カロリー管理は厳密な減量のためというより、「何をどのくらい食べたか」「食後やその日の体調がどうだったか」「体重がどう動いているか」を整理するための道具として使うのが実践的です。3,4 記録を続けると、食事のリズムや食べやすい量、症状が強い時期に偏りやすい食べ方を振り返りやすくなります。4,6 IBDの治療は薬や、ときに手術も含めて行われるため、食事記録は単独の治療ではなく、診療時の説明材料のひとつとして考えてください。1,2
カロリー管理とGAYAを使い始める
IBDにおけるマクロ栄養素と微量栄養素の管理
IBDがあるときも、基本はバランスのよい食事です。日本の一般的な食事の目安では、主食・主菜・副菜をそろえ、乳製品や果物も含めて全体のバランスを見ることが勧められています。5,6 一方で、IBDでは長く続く下痢による低栄養や、クローン病での吸収不良が起こることがあるため、一般論だけでなく、自分の症状に合わせて調整する視点が大切です。1,2 再燃中や腸閉塞が疑われるときには、食物繊維を控える必要がある場合があります。1 症状が落ち着いている時期は、体調に合わせながら野菜や果物を含む食事バランスを整えていくことが基本になります。5,6,7,8
また、低栄養や貧血が気になるときは、体重の変化や食事内容だけでなく、医師から示される血液検査や補充の必要性も確認することが大切です。クローン病では慢性の貧血に対して鉄の補充が行われることがあり、コルチコステロイドを使う人にはビタミンDとカルシウムの補充が処方されることがあります。1
一般的な課題と再燃(フレア)への対処
IBDは症状が出たり治まったりを繰り返すことがあり、重い再燃では脱水に至ることもあります。1 そのため、再燃中は「通常どおり完璧に記録すること」よりも、食べられた量、飲めた水分、出ている症状を無理のない範囲で残すことが大切です。1,2,4 とくに下痢が強いときや水分がとれないときは、水分補給を意識し、早めに受診の目安を確認しましょう。1,2
もうひとつ注意したいのが、症状をきっかけに食事が極端になりやすいことです。特定の食品だけを厳しく抜くやり方や、食事量を大きく減らすやり方は続きにくく、全体のバランスも崩しやすくなります。4,6 記録は「食べてはいけないもの探し」ではなく、「今の自分に合う食べ方を探すためのメモ」として使うと役立ちます。4
長期的な成功と寛解維持のためのアドバイス
長く続けるコツは、食事記録を「毎日完璧につける課題」ではなく、「体調の変化を見返す習慣」にすることです。無理なく続けられる改善を重ねることが大切で、できない日があっても複数日で調整する柔軟さが勧められます。4 数週間から数カ月単位で見返すと、体重の増減、食事の偏り、再燃しやすい時期の食べ方などに気づきやすくなります。1,3,4
症状が落ち着いている時期は、主食・主菜・副菜を基本に、体調に合わせて野菜や果物も含めた食事の幅を整えていきましょう。5,6,7 ただし、再燃中に避けていた食品をもう一度試すときは、症状が安定しているかを確認し、必要に応じて主治医へ相談しながら慎重に進めるのが安心です。1,2 長期的な目標は、極端な増減量ではなく、適正な体重と無理のない食習慣を保つことです。3,4
アクションチェックリスト
避けるべきよくある間違い
よくある質問
再燃(フレア)の時でも本当にカロリーを記録できますか?+
カロリーを記録する際、吸収不良をどう考慮すればよいですか?+
意図せず体重が減っている場合でも、カロリーを記録すべきですか?+
IBDがある場合、特に注意して記録すべき食品はありますか?+
医師や管理栄養士とデータを共有する頻度はどのくらいが良いですか?+
出典
- クローン病 — MSDマニュアル家庭版
- 炎症性腸疾患(IBD)の概要 — MSDマニュアル家庭版
- 肥満と健康 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 肥満・メタボリックシンドローム予防のための食事 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 食事バランスガイド — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 食生活指針 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 野菜、食べていますか? — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 食物繊維の必要性と健康 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
