健康状態

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のためのカロリー管理

PCOSでは、月経不順、にきび、多毛、体重増加のしやすさ、インスリン抵抗性などがみられることがあり、食事と身体活動の見直しが管理の一部になります。 このガイドでは、食事記録を使って今の食生活を把握し、無理のない体重管理と続けやすい食習慣づくりにつなげる方法をまとめます。

GAYA Editorial Team出典
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のためのカロリー管理

よくある悩み

  • 体重が増えやすい、または減量しにくいと感じる。1
  • 月経不順、にきび、多毛などの症状とあわせて食生活も見直したい。1
  • 疲労感、気分の変動、気力の低下があり、生活習慣の改善を続けにくいと感じる。1
  • 体重だけでなく、血糖や脂質、腹囲など代謝面も気になる。1,2

🎯 重要な考慮事項

  • PCOSではインスリン抵抗性がみられることが多く、過体重や肥満がある場合は、運動や食習慣の見直し、必要に応じた減量が役立つことがあります。1
  • 体重管理は、極端な食事制限ではなく、無理なく続けられる方法で進めることが大切です。2,3
  • 主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を土台にすると、食事全体を整えやすくなります。3,4,5
  • 野菜や食物繊維を増やし、身体活動も組み合わせると、健康的な生活習慣づくりに役立ちます。2,6,7,8

なぜPCOS管理においてカロリー管理が重要なのか

PCOSは、月経不順や無月経、にきび、多毛、過体重や肥満などを特徴とし、多くの人でインスリン抵抗性がみられます。1 そのため、体重管理はPCOSのケアで大切なテーマのひとつです。過体重または肥満がある場合、運動や減量は症状の軽減や月経の規則化、排卵の再開につながることがあります。1 カロリー管理を始めるときは、まず食事記録を使って自分の食生活を見える化するのが実用的です。食事記録は、いつ、どんなときに、どのようなものを食べ、どう感じたかを振り返る助けになり、課題や改善点を可視化できます。3 数字だけを見るのではなく、食事の内容、食べる時間、間食の有無、食事のリズムも含めて確認すると、見直すポイントがつかみやすくなります。2,3,5

💡 プロのコツ

  • 記録は、食事の問題点や改善点を見つけるためのツールとして使いましょう。3
  • 食べた内容だけでなく、いつ食べたか、どんな場面だったか、食後にどう感じたかも簡単に残すと振り返りやすくなります。3
  • 月経不順、にきび、多毛、体重増加などの変化もあわせてメモしておくと、受診時に伝えやすくなります。1
  • 体重だけでなく、食事のリズムや生活習慣も一緒に見直す視点を持ちましょう。2,5

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PCOSのためのカロリー管理の始め方

始め方の基本は、いきなり大きく減らすことではなく、まず現在の食生活を記録して現状を知ることです。3 1日に必要なエネルギーは、基礎代謝量と身体活動レベルをもとに考えられ、生活の大部分が座位か、家事や通勤でどのくらい動くかでも変わります。2 まずは普段の食事を振り返り、食べすぎやすい時間帯、間食やアルコール、食事の抜き方などを確認するところから始めると取り組みやすくなります。2,3 減量が必要な場合でも、極端に食事量を減らす方法は続きにくく、心身への悪影響も懸念されます。2 現在の指針では、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本に、菓子やアルコールの量、調理法、食事のリズムを見直し、無理なく続けられる改善策を積み重ねることが勧められています。3,4,5 高血糖や脂質異常、血圧高値がある場合は、3〜4%の緩やかな減量でも検査値の改善が期待されます。3

💡 プロのコツ

  • まずは数日から始めて、食事内容と食べる時間を記録しましょう。3
  • 『減らす』ではなく、『間食は1日1回まで』のように具体的な目標にすると続けやすくなります。3
  • 極端な食事制限は避け、主食・主菜・副菜をそろえる基本を優先しましょう。2,3,4
  • 食事のリズムも見直し、欠食や夜遅い食事が続いていないか確認しましょう。2,5

PCOSのためのマクロ栄養素マスター術

PCOSで食事を整えるときは、カロリーだけでなく、食事の中身とバランスが大切です。PCOSでインスリンの値が高い場合、運動に加えて、米、パン、パスタ、イモ類、菓子などの炭水化物の摂取量を減らすことが、インスリンの血中濃度の低下につながることがあります。1 ただし、特定の食品だけを極端に抜くのではなく、主食・主菜・副菜をそろえた食事の形で整えるほうが続けやすい方法です。3,4,5 主食では、精白米や白いパンだけに偏らず、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パン、ライ麦パン、そばなど、食物繊維をとりやすい選択肢を取り入れる方法があります。7 副菜は野菜・いも・海藻・きのこを主材料とする料理、主菜は魚・肉・卵・大豆製品を主材料とする料理です。4 野菜は1日350g、料理で5〜6皿分が目安とされており、食物繊維の摂取にもつながります。6,7

💡 プロのコツ

  • 毎食、主食・主菜・副菜をそろえる形を意識しましょう。4,5
  • 主食の一部を麦ごはんや全粒小麦パンなどに替えると、食物繊維を増やしやすくなります。7
  • 副菜として、野菜を主材料にした料理を1食に1皿以上入れることを目安にしましょう。6
  • 主菜には、魚、肉、卵、大豆製品を組み合わせて、食事全体のバランスを整えましょう。4

PCOSにおけるカロリー管理の共通の課題を克服する

カロリー管理が続かなくなる原因として多いのは、最初から厳しくやりすぎることと、改善策が曖昧なまま始めてしまうことです。極端な食事制限は長続きしにくく、精神的な負担にもつながります。2 一方で、食事の見直しは『主食・主菜・副菜をそろえる』『ご飯は1膳までにする』『間食は1日1回までにする』のように、具体的に決めると実践しやすくなります。3,4 また、毎日完璧にできなくても問題ありません。現在の考え方では、できない日があっても落ち込まず、複数日で調整するなど柔軟に続けることが大切です。3 あわせて、間食やアルコール、食事のリズムを見直し、日常生活の中で今より少しでも多く体を動かすことが、長期的な体重管理を支えます。2,8

💡 プロのコツ

  • 『何となく減らす』ではなく、具体的な行動目標を1つずつ決めましょう。3
  • 間食やアルコールの量は、記録してみると見直しやすくなります。2,3
  • うまくいかない日があっても、数日単位で整えれば大丈夫です。3
  • 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにし、今より少しでも多く体を動かしましょう。8

持続可能なPCOS管理のための高度な戦略

食事記録に慣れてきたら、カロリーだけでなく、生活全体で整える視点を持つと続けやすくなります。PCOSでは、血圧、血糖、脂質などを確認して、メタボリックシンドロームや合併症がないかをみることがあります。1 体重の増減だけでなく、腹囲、月経の規則性、食事のリズム、身体活動量もあわせて見直すと、自分に必要な改善点がわかりやすくなります。1,2,3 身体活動は、食事管理と並んで重要です。成人では、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが勧められています。8 食事と運動の両方がそろってこそバランスが保ちやすい、という考え方は食事バランスガイドにも反映されています。4 過体重または肥満があるPCOSでは、減量が排卵、妊娠のしやすさ、月経の規則化に役立つことがあります。1

💡 プロのコツ

  • 歩行などの身体活動を1日60分以上の目安で増やしましょう。8
  • 息が弾む運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日取り入れましょう。8
  • 長時間の座位を避け、こまめに立つ・歩く時間をつくりましょう。8
  • 体重だけでなく、腹囲、月経、食事のリズム、検査値の変化も振り返りましょう。1,2,3

アクションチェックリスト

まずは食事記録をつけて、いつ、何を、どのような場面で食べているかを把握する。3
essential
主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本にする。3,4,5
essential
野菜料理を1食に1皿以上、1日5〜6皿分を目安に増やす。6
essential
主食の一部を麦ごはんや全粒小麦パンなどに替えて、食物繊維を増やす。7
recommended
間食、アルコール、食事のリズムを見直す。2,3,5
recommended
歩行または同等以上の身体活動を1日60分以上めざす。8
recommended
筋力トレーニングを週2〜3日取り入れる。8
optional
月経不順、にきび、多毛、体重増加などの変化を記録し、必要時は受診時に相談する。1
optional

避けるべきよくある間違い

極端な食事制限から始めてしまう。2
『減らす』『控える』だけで、具体的な行動目標を決めていない。3
主食・主菜・副菜のバランスが崩れ、副菜が不足しやすい。4,5
野菜や食物繊維の摂取が少ないままになっている。6,7
間食やアルコールの量を見落としている。2,3
運動不足や座りっぱなしの時間の長さをそのままにしている。2,8

よくある質問

PCOSの全員に低炭水化物ダイエットが必要ですか?+
必ずしも全員に同じ方法が必要というわけではありません。PCOSでインスリンの値が高い場合は、米、パン、パスタ、イモ類、菓子などの炭水化物の摂取量を減らすことが役立つことがあります。1 ただ、基本は特定の食品を極端に抜くことではなく、主食・主菜・副菜をそろえた食事に整え、無理なく続けられる形にすることです。3,4,5 主食は麦ごはんや全粒小麦パンなど、食物繊維をとりやすい選択肢に替える方法もあります。7
カロリー管理中に空腹感がつらいときはどうすればいいですか?+
まずは食事記録を見直して、欠食、食事の時間の偏り、間食の内容、主食・主菜・副菜のバランスを確認してみましょう。2,3,4 極端な食事制限は続きにくいため、食事量を急に減らしすぎないことも大切です。2 野菜や食物繊維を増やし、食事全体を整える方法が取り組みやすい基本になります。6,7
PCOSがある場合、カロリー管理は食べ物との関係を悪化させますか?+
食事記録は、本来は自分の食生活の課題や改善点を可視化するための手段です。3 続けるためには、厳しすぎるやり方よりも、無理なく続けられる方法を選び、極端な食事制限を避けることが大切です。2,3 数字だけに偏らず、食事のリズムや食事内容のバランスも一緒に見直していきましょう。2,5
一貫して記録しているのに体重が変わりません。どうすればいいですか?+
まず、体重だけでなく、間食やアルコール、食事のリズム、野菜不足、身体活動量も含めて記録を見直してみましょう。2,3,6,8 PCOSでは、過体重や肥満がある場合の減量が月経や排卵に役立つことがありますが、変化が乏しいときは血糖や脂質、血圧などの確認が必要になることもあります。1 体重以外の変化も含めて整理し、気になる症状が続く場合は受診につなげましょう。1,3
PCOSで最適な効果を得るには、1日にどのくらいのタンパク質を摂るべきですか?+
一律の数値よりも、まずは食事全体のバランスを整えることが基本です。主菜は魚・肉・卵・大豆製品を主材料とする料理で、主食・副菜と組み合わせてとる形が勧められています。4 必要量は年齢、体格、身体活動量でも変わるため、まずは毎食の食事の形を整えることから始めると実践しやすいです。2,4,5
PCOSの場合、完全に避けるべき特定の食品はありますか?+
基本は、特定の食品を完全に禁止することではなく、バランスのよい食事を続けることです。3,4,5 PCOSでインスリンの値が高い場合は、炭水化物の摂り方を見直すことが役立つ場合があります。1 また、菓子やアルコールなどの嗜好品は量を見直しやすいポイントです。3,4

出典

  1. 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) — MSDマニュアル家庭版
  2. 肥満と健康 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  3. 肥満・メタボリックシンドローム予防のための食事 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  4. 食事バランスガイド — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  5. 食生活指針 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  6. 野菜、食べていますか? — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  7. 食物繊維の必要性と健康 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  8. 成人を対象にした身体活動指針 — 厚生労働省 e-ヘルスネット

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