PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のためのカロリー管理
PCOSでは、月経不順、にきび、多毛、体重増加のしやすさ、インスリン抵抗性などがみられることがあり、食事と身体活動の見直しが管理の一部になります。 このガイドでは、食事記録を使って今の食生活を把握し、無理のない体重管理と続けやすい食習慣づくりにつなげる方法をまとめます。
GAYA Editorial Team出典
⚡ よくある悩み
なぜPCOS管理においてカロリー管理が重要なのか
PCOSは、月経不順や無月経、にきび、多毛、過体重や肥満などを特徴とし、多くの人でインスリン抵抗性がみられます。1 そのため、体重管理はPCOSのケアで大切なテーマのひとつです。過体重または肥満がある場合、運動や減量は症状の軽減や月経の規則化、排卵の再開につながることがあります。1
カロリー管理を始めるときは、まず食事記録を使って自分の食生活を見える化するのが実用的です。食事記録は、いつ、どんなときに、どのようなものを食べ、どう感じたかを振り返る助けになり、課題や改善点を可視化できます。3 数字だけを見るのではなく、食事の内容、食べる時間、間食の有無、食事のリズムも含めて確認すると、見直すポイントがつかみやすくなります。2,3,5
PCOSのためのカロリー管理の始め方
始め方の基本は、いきなり大きく減らすことではなく、まず現在の食生活を記録して現状を知ることです。3 1日に必要なエネルギーは、基礎代謝量と身体活動レベルをもとに考えられ、生活の大部分が座位か、家事や通勤でどのくらい動くかでも変わります。2 まずは普段の食事を振り返り、食べすぎやすい時間帯、間食やアルコール、食事の抜き方などを確認するところから始めると取り組みやすくなります。2,3
減量が必要な場合でも、極端に食事量を減らす方法は続きにくく、心身への悪影響も懸念されます。2 現在の指針では、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本に、菓子やアルコールの量、調理法、食事のリズムを見直し、無理なく続けられる改善策を積み重ねることが勧められています。3,4,5 高血糖や脂質異常、血圧高値がある場合は、3〜4%の緩やかな減量でも検査値の改善が期待されます。3
PCOSのためのマクロ栄養素マスター術
PCOSで食事を整えるときは、カロリーだけでなく、食事の中身とバランスが大切です。PCOSでインスリンの値が高い場合、運動に加えて、米、パン、パスタ、イモ類、菓子などの炭水化物の摂取量を減らすことが、インスリンの血中濃度の低下につながることがあります。1 ただし、特定の食品だけを極端に抜くのではなく、主食・主菜・副菜をそろえた食事の形で整えるほうが続けやすい方法です。3,4,5
主食では、精白米や白いパンだけに偏らず、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パン、ライ麦パン、そばなど、食物繊維をとりやすい選択肢を取り入れる方法があります。7 副菜は野菜・いも・海藻・きのこを主材料とする料理、主菜は魚・肉・卵・大豆製品を主材料とする料理です。4 野菜は1日350g、料理で5〜6皿分が目安とされており、食物繊維の摂取にもつながります。6,7
PCOSにおけるカロリー管理の共通の課題を克服する
カロリー管理が続かなくなる原因として多いのは、最初から厳しくやりすぎることと、改善策が曖昧なまま始めてしまうことです。極端な食事制限は長続きしにくく、精神的な負担にもつながります。2 一方で、食事の見直しは『主食・主菜・副菜をそろえる』『ご飯は1膳までにする』『間食は1日1回までにする』のように、具体的に決めると実践しやすくなります。3,4
また、毎日完璧にできなくても問題ありません。現在の考え方では、できない日があっても落ち込まず、複数日で調整するなど柔軟に続けることが大切です。3 あわせて、間食やアルコール、食事のリズムを見直し、日常生活の中で今より少しでも多く体を動かすことが、長期的な体重管理を支えます。2,8
持続可能なPCOS管理のための高度な戦略
食事記録に慣れてきたら、カロリーだけでなく、生活全体で整える視点を持つと続けやすくなります。PCOSでは、血圧、血糖、脂質などを確認して、メタボリックシンドロームや合併症がないかをみることがあります。1 体重の増減だけでなく、腹囲、月経の規則性、食事のリズム、身体活動量もあわせて見直すと、自分に必要な改善点がわかりやすくなります。1,2,3
身体活動は、食事管理と並んで重要です。成人では、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが勧められています。8 食事と運動の両方がそろってこそバランスが保ちやすい、という考え方は食事バランスガイドにも反映されています。4 過体重または肥満があるPCOSでは、減量が排卵、妊娠のしやすさ、月経の規則化に役立つことがあります。1
アクションチェックリスト
避けるべきよくある間違い
よくある質問
PCOSの全員に低炭水化物ダイエットが必要ですか?+
カロリー管理中に空腹感がつらいときはどうすればいいですか?+
PCOSがある場合、カロリー管理は食べ物との関係を悪化させますか?+
一貫して記録しているのに体重が変わりません。どうすればいいですか?+
PCOSで最適な効果を得るには、1日にどのくらいのタンパク質を摂るべきですか?+
出典
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) — MSDマニュアル家庭版
- 肥満と健康 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 肥満・メタボリックシンドローム予防のための食事 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 食事バランスガイド — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 食生活指針 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 野菜、食べていますか? — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 食物繊維の必要性と健康 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 成人を対象にした身体活動指針 — 厚生労働省 e-ヘルスネット
